汎用資料Wiki - Gnosticism Diff
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一世紀から三、四世紀にかけての地中海世界、オリエント世界での思想運動。また、グノーシス的傾向を持って成立した宗教の諸宗派を指す。
グノーシス(gnosis:γν嘗メヲノ嘗・とはギリシア語で知識、認識を指す言葉で、knowの語源でもある。日本語では伝統的に「神智」と訳される。主流派のキリスト教神学で言われる「テオ・ソフィア」も「神智」と訳されるが、実は、「ソフィア」は古代グノーシス諸派の多くが、宗教的神話で好んで神格化、又は人格化した概念でもあった。
(ちなみに、古代以降のグノーシス主義と、ブラヴァツキー夫人が創設した現代の「[[神智学会]]」とは直接の関係は無い)
*物質世界と精神世界(霊的世界)の二元論的対立による反宇宙的世界認識。
*物質世界のすべてを悪と規定し、精神世界に上位の神を置く。物質世界の創造神を劣位の神、または、悪神とみなす。
*物質による肉体を持つ人間も悪であるが、内在している忘れられてしまった神性による自己の昇華。
*教団が外部に対して秘密にしている叡智(神性)の伝授。
――などがグノーシス主義の主な共通点と考えられる。
あえて日本人にイメージしやすい乱暴な類比をすれば、グノーシス諸派の教義には、「厭離穢土、欣求浄土」を唱えた[[浄土宗]]のそれに似たトーンがある。
傾向としては、既存宗教の伝統からは飛躍の多い経典を、新たに作ることが多い。これは、現在では、「物質世界のすべてを悪と断じ」「内在している忘れられてしまった神性」を想起する、との思考法から必然的に生じた傾向と考えられている。
近年では、グノーシス主義は、初期キリスト教異端や[[ユダヤ教]]神秘派、[[マニ教]]、[[マンダ教]]という特定宗教、宗派の枠内から生じたものではなく、一世紀から、三、四世紀にかけて[[ネオプラトニズム]]などの思想も含めた諸思潮の間から横断的に生じたトレンド、との説も唱えられている。
つまり、諸宗教の宗論が競合する状況下で生じた相互影響の結果、各宗教のトレンド内で個別に、しかし、あい前後して生まれたのがグノーシス諸派だ、という学説である。
この学説は、グノーシス諸派が[[キリスト教]]諸派の宗教活動の内から生じたものか、キリスト教以外の異教の影響を被った宗派として生まれたものか? とのテーマについての宗教史、思想史や文献学の研究から生まれた。
!関連書籍
*[[ナグ・ハマディ写本]]
*[[トマスによる福音書]]
*[[ユダの福音書]]
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!参考リンク
!リンク
*[[神秘世界]]
*[[キリスト教]]