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世界設定

世界設定

ことのはじまり

―古の人曰く、年経た器物は魂を得るという。
―生来の性を変えるに値する時間は、百年、或いは更に長く。
―だが、百年、千年に値する念を受けた器物は、人格を持つという。
彼らの名は、縁具。そして、彼らと契約せし者を、縁主と言うのである。

 二十一世紀も半ばにさしかかろうとする頃、それは起こりました。
 人間たちが何気なく使ってきた器物。物言わぬはずの彼らが、次々に喋り始めたのです。
 彼ら縁具たちは、宿主、縁主と契約することで、人や動物、またはロボットや仮想の生物などの姿を得て、人前に歩き回るようになりました。
 為政者たちは、人間と同じ知性を持つ、しかし人間と違う存在の対処に困惑し、更に、彼らを武器として扱う人間たちの戦闘能力に手を焼いていました。そこで、世界各地に“縁具特区”と呼ばれる土地が作られ、縁主たちはそこに移住する事になったのです。

 縁具と縁主たちの密集は、新たな問題を生みました。強力な戦闘能力を持つ彼らには、通常の警察機構の抑止力では対応できなかったのです。そこで作られたのが、“縁具法”と呼ばれる国際法です。

 “縁具法”では、縁具を利用した犯罪を行う者を“怨主(オンジュ)”と定め、その罪状に応じて賞金をかけることが可能になりました。また、“縁具特区”内では銃刀法が解除され、武装した市民は、“怨主”を捕縛(一応、殺してはなりません)し報奨金を得る事が出来るようになりました。
 “縁具法”が施行されて早幾年。各地の“縁具特区”はすっかり狩り狩られの無法地帯と化しています。それでも、街の中で生きる彼らはなんだか楽しそうです。だって、ストレス発散のサンドバッグが、ネギをしょってうろついているのですから……。

縁具と縁主

 縁具と縁主は、強力な絆によって結ばれる、一心同体の存在です。  縁主が傷つけば縁具も傷つき、その逆もありえます。縁具召喚のイニシアチブは縁主が握っている為、自分の目が届く時にのみ縁具を召喚している縁主がほとんどです。

 縁具と契約した縁主は、身体の一部に契約の為の印(刺青のような物です)を刻まれます。契印と呼ばれるそれは、縁具が現世へと現れる門となる重要な印です(もっとも、縁主よりも巨大な縁具は、空間を割って現れる事が多いのですが)。契印を破壊された場合、縁主と縁具の契約は破棄されます。
 縁具の召喚には、別縁と結縁という二つの方法があります。

 別縁は、縁具を人間体で召喚し独自で行動させます。別々に行動できるという利点が強みですが、独立行動する縁具は少々弱い為、あまり遠くでの行動には危険が伴います。

 結縁は、縁具を道具体で召喚し、縁主が操ります。その場合、縁具(正確には縁具の人体)が持っている能力や外見の特徴が縁主に融合し、縁具の持つ技を使いこなす事が出来ます。

 縁具の人格や外見は、縁具の人格や外見は、契約した縁具ごとに個別になるか、もしくは複数の人格や外見が一人に統合されるか、大きく二つに分かれます。

縁主は最大で七つの縁具と契約できますが、同時に効果を発揮できる縁具は一つまで。二つ以上の縁具の効果を同時に発揮しようとした場合、縁主と縁具の精神のバランスが崩れ、理性を失い暴走してしまいます。また、意思の弱い者や心に隙がある者も、暴走する危険が高いといいます。

崩主と欠主

 縁主、怨主に限らず、縁具を扱う者に恐れられている存在、それが崩主と欠主です。
 崩主とは、縁主と縁具の精神のバランスが崩れ、暴走している存在です。崩主の精神は完全に混濁しており、元に戻すのは不可能です。
 崩主はまた、複数の縁具を同時に召還する事が可能です。そのため、たとえ一縁の縁具しか持っていなくても、百縁クラスの戦闘能力を発揮することもあります。崩主はその危険度から、高い懸賞金がかけられています。
 しかし、崩主以上に縁主たちが恐れているのは、欠主と呼ばれる存在へと変えられてしまうことです。
 欠主とは、縁具との契約を全て破棄されてしまった縁主のことです。縁主と縁具は、最初の契約の時点で魂レベルで結びついています。それを奪われるのは、縁主の魂を削るのに等しい行為です。
 縁具を奪われ欠主となった縁主は、能動性を失い、命令のままに行動する人形と化してしまいます。縁主たちが特区へと収容されることになった理由は、欠主が増殖し、兵隊や奴隷として扱われることを危惧した強力な縁主の発案だとも言われています。
 ただ、特区内でも、死刑に等しい重罰として、欠主化が行われる事があります。そうして生まれた欠主は意志を失ったまま、刑務所の一角で一生を終えるのです。

縁具の相場と縁結び屋

 縁具は、非契約状態ならばただの喋る道具です。なので、簡単に売り買いができます。
 縁具の値段は、楽器の値段の変化とほぼ同じです。ギターのように普及している縁具(大量生産品が一気に縁具になった場合など)は一万弱〜数万の安値で取引され、ピアノのように道具として元々値段の張るものは十万以上。その後は、希少性が高くなる度に値段が跳ね上がり、伝説の名器の如く貴重な縁具は数億の値が付きます。
 そんな縁具の仲買をしているのが、縁結び屋と呼ばれる存在です。特区の中に必ずといっていいほど存在するこの商店は、縁具を金に、金を縁具に替えてくれます。

百手協会(ハンドレットアームズ・クラン)

 特区という閉鎖空間に封じられてしまった縁主たち。その間を繋ぐ組織が、百主協会です。
 世界各地の特区に支部を持つ協会は、縁主たちの交流の仲立ちを行い、また、警察組織から出される怨主の情報を整理し、縁主へと伝える役目をになっています。
 百主協会とコンタクトを取るには、協会がその特区で拠点として使う施設(多くはカフェやバーなど人の集う場所です)へ赴き、簡単な登録手続きを済ます必要があります。登録を嫌がる縁主の中には、協会とは別のコミュニティを結成する者も居るようです。
 また協会は、登録された縁主たちのランク付けを行っています。縁具の格を大枠(一縁ならC、格が上がる毎にB、A、と大きくなる)に、縁主の素行や腕前によって+、−、無印の三種に分けられます。ランクは、協会が斡旋する賞金首の強さにも関わり、A級ともなれば特区を揺るがす凶悪な怨主との対決を依頼される事も多いです。

魔術、超能力

 縁具の登場と共に、世界の表側には様々な存在が登場し始めました。
 魔法を操る術士や、超能力を使うエスパーと言った存在は、多くは縁具の力を借りてその能力を発揮しています。ただし中には、生得の技として魔術などを操る異能者も少なからず存在し、力有る一族は、世界の情勢を裏から操っていると言います。

 そんな異能が世界を変えたもっとも大きな出来事は、回復魔法(超能力ではヒーリング)の存在でしょう。恐ろしい怪我や病気を防ぐ(とはいえ、限度はあります)この術によって、人々の生存率は飛躍的に高まりました。もっとも、それが逆に人々の暴力性を助長させているのも事実で、それが縁主が隔離される原因の一つとも言われています。

掃除屋

 “縁具特区”特有の職業、それが“掃除屋(スイーパー)”です。
 “掃除屋”は元々、凶悪な怨主に対抗しうる縁主の賞金稼ぎを呼んだ名です。それが時代の変化と共に、怨具退治から猫探しまでを扱う何でも屋という扱いになっていきました。不都合を消すので“掃除屋”というわけです。
 一部の有名企業を除いて、“掃除屋”は個人または少人数で営業する零細企業です。細々と生活する彼らの最大の収入源は、やはり賞金稼ぎです。他の仕事は、その為の準備資金集めとも言えましょう。

 その仕事柄、街の人々にとって“掃除屋”は喧嘩屋程度にしか思われていません。総じて文化レベルの低い彼らは、食うに困って後ろ暗い仕事に手を出し、同業者から追われる事も少なくありません。もっとも、その騒々しさと危険度から言って、“縁具特区”を象徴する職の一つと言って差し支えないでしょう。

第九特区『中洲』

 福岡県の中心地区、天神と博多の間にある、川に隔たれた一帯を中州と呼びます。九州一の歓楽街として賑わっていた中州は、突如として”縁具特区”の指定を受け、九州北部の縁主たちの集積地となりました。
 中州が”縁具特区”に指定された理由は謎に包まれています。一説には、中州の地下に封じられた強力な”縁具”を監視し、またその”縁具”が”縁主”と契約を果たした際に住人を何らかの形で利用するために中州が選ばれたとも言われますが、真相は定かではありません。
 ともかく、中州と対岸を結ぶ橋は一部を残して破壊され、川の両岸には魔術的な物を含めた厳重な警備が施されました。もっとも、中州と対岸の距離はそう遠くないので、度々、境界を越え人や物が出入りします。

 それから幾年、中州も他の特区と同じく、無法地帯の道を歩みました。しかし、九州各地、あるいは遠い場所から中州へなだれ込んだ”縁主”たちは、しぶとく生活を続けています。

 中州の組織と言ってまず挙げられるのは『商工会』という組合です。中州で(表だって)商売を行う者はすべて商工会への参加が義務づけられ、商品の安全性や違法性の監査を受けます。また、中州と外との物流を握っているのも商工会です。その性質上、公正な運営が求められる商工会ですが、世代交代が進むにつれ、腐敗も目立ってきました。

 中州の治安を護る特区警察は、慢性的な人員不足に悩まされています。さほど緊急を要さない任務には、掃除屋に協力を要請することも多いです。また、留まる所を知らない犯罪の多さに、一部の盛栄を除く一般署員の士気は下がり、“怨主”と協力し犯罪を起こす署員も現れ始めています。

 中洲での生活は、住人たちの戦闘能力の高さと回復魔法の普及により、概ね安全(?)と言って良いでしょう。ただし、幼い子供や、中洲の中で生まれ未だ“縁具”との契約を行っていない住人にとって、中州は恐ろしい場所です。
その為なのか、中洲の“縁主”たちの間には、『未契約者に“縁具”は向けない』という暗黙の了解があります。もっとも“怨主”にとっては、そんな口約束など無意味なのですが。

 商工会が生活必需品の管理を行っているため、普通に暮らすだけならば(お金さえあれば)不足するものはないでしょう。ただし、多少マニアックな品物や地方の特産物などはなかなか手に入りません。特区特有の商店といえば“縁具”を売り買いする中古縁具屋があり、掃除屋たちが“怨主”から奪い取った縁具を売り払う風景がよく見られます。また、遊戯施設の多さでは、中洲は他の特区に負けません。元は色町ということで、バーやスナック、それに風俗店も未だ多く存在します。

 最近中州では、“崩主”の目撃情報が今まで以上に報告されるようになりました。それは、中洲の地下深くに眠る“縁具”が原因なのか、それとも、何らかの組織や個人が関係しているのか。どちらにせよ、中洲の未来には、まだまだ波乱がありそうです。

中州門童学院

 未成年者の縁主が放り込まれる都合上、中洲にも学校が存在します。
 ただし、地理的に狭く、また学生の数も少ない中州では、複合商業施設のビルをまるまる改装して学校を作りました。それが、中洲門童学院という学校です。
 学院は、小学部から大学部まで全ての教育を一つの校舎で行います。クラスは学年で2〜3。少ない所は一学年一クラスの所もあります。
 学院では一通りの一般教育の他、特区での自衛の為の訓練、縁具との関係の保ち方など、独自の授業を行っています。学院の特色として芸術、特に音楽には力を入れており、卒業生がメジャーデビューする機会もあります。もっとも、CDは外に出てもアーティストは特区から出られないのですが。
 学院には運動場はなく、代わりに、元はフィットネスプラザだった場所を運動場として使っています。設備は充実しており、学生にはおおむね好評です。また、元々ライブハウスとして使っていた空間を音楽室として使っていたりもします。
 数少ない同年代の憩いの場として人気の学院ですが、その成立には謎も多く、優秀な生徒を外国の傭兵部隊に売り込んでいるといった噂もまことしやかに囁かれています。もっとも、学院自体は、雰囲気の良い学び舎です。

話題まとめ

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Last modified:2007/11/09 11:00:14
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