食事
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食事
貴族の食生活
定まった食事は朝と夕の二回。
食材
- 肉類
- 基本的に牛馬犬猿鶏の肉を食することは禁じられていた
- 生物
- 雉、鯉、鱒、鯛、鮎、鱒、鱸、蛸など
生物の料理
膾や刺身など生のまま食すこともある。
- 羮(あつもの)
- いわゆる汁物。鯉の羮や若菜の羮があったらしい
- 熬物(いりもの)
- 水分の無くなるまで煮詰めあぶること
- 炙物(あぶりもの)
- 焼き肉。鮒の腹の中に昆布や芥子などを入れて焼いたものもあったらしい
- 蒸物(むしもの)
- 茹物と同じ?
- 茹物(ゆでもの)
- 茹で物
干物
貝や魚、雉肉などを干した物。鮑を蒸して干した物もあったようである。鰹節や煮干しもあった模様。
塩漬けにしたものもあり、鯛や鮭、鮎などをそうして調理していたという記録がある。
醢(かい)
鳥獣魚介の肉によってつくられた醤の類。このわたなんかもあったらしい。
鮓
現在で言うところの「なれずし」。鮒や鮎、鮭、鮑などが使われていた。
漬物
塩漬け、味噌漬け、粕漬け
飯
- 強飯(こはいひ)
- 米を甑(こしき)にて蒸し熟せしめたもの。今で言う「おこわ」がその名残
- ひめ飯(ひめいひ)
- 強飯に対してやわらかな飯のことで、水を多く用いて米を煮た物。現在での普通の調理法?
- 水飯(すいはん)
- ひめ飯、またはそれを干した物を冷水につけ、柔らかくして食する物
- 頓食(とんじき)
- 「どじき」とも言う。今で言う握り飯。
粥
- 堅粥
- 今の飯のような物
- 汁粥
- 薄くて汁のある物をいう。今の粥と同じ。白粥は普通の粥で、赤粥は小豆を入れた粥
乾飯
- 糒(ほしいい)
- 強飯を干したもの
- 餉(かれいい)
- 旅に持っていく干した飯。転じて、旅にて食べる飯は干してなくても餉といっていた
餅
糯米、麦粉などをあわせてつくられるもので現在の餅とは違っていたようである。
- 鏡餅
- 現在と同じ
- 三日餅
- 結婚後三日の夜に食べられる餅
- 粽
- 糯米を水にひたし、笹または菰(まこも)、菖蒲の葉などで巻き、蒸したもの
- 亥子餅(いのこもちい)
- 亥の子(十月亥の日の称)に搗く餅。万病を払うという
菓子
中古の文学に菓子という語が現れることはほとんど無かった。
初めはくだもののことを菓子と呼んでいたが、やがて唐菓子が出てくると、これに対してくだもののことを木菓子、水菓子と称するようになった。
栗、柿、梨、橘、柑子、じゅくし、木練柿(こねりがき)、桃、柚、瓜、覆盆、楊梅、椎、蓮根、甘葛、棗などが延喜式などに現れている。
唐菓子には以下のようなものがある。
- かつ餬(かつこ)《「かつ」は食偏に渇のつくりの部分》
- 麹を煮て蝎虫の形に作ったもののこと?
- 桂心
- 肉桂の細末を混ぜた餅菓子
- てん臍《「てん」は「黍占」》
- 油揚げにした菓子で、下は平たく中が窪み、人の臍に似ているところからその名前が付いた
- ひつら《「ひつ」は食偏に「畢」、「ら」は食偏に「羅」》
- 糯米の粉で作り、薄平たく煎餅の形にして、表を焼いたもの
- つい子《「つい」は食偏に「追」》
- 米粉を弾丸のように細長く先を尖らせるようにして固め、蒸したもの
- 歓喜団
- 歓喜天に供えるところからその名前が付いた
- 餅たん(へいたん)《「たん」は月偏に「炎」》
- 餅の中に煮た鴨の子や雑菜などを包み入れて、四角に切ったもの
- ぶと《「ぶ」は食偏に「部」の左側、「と」は食偏に「主」》
- 油で揚げた餅
- まが餅(まがり)《「まが」は米偏に環のつくりの部分》
- 糯米の粉をこね、細く捻って輪のようにして、ごま油で揚げたもの
- 結果(かくのあわ)
- 緒を結んだような形をした菓子で、油で揚げたもの
- 捻頭(むぎかた)
- 小麦粉で頭を捻ったような形に作った餅
- 索餅(さくへい)
- 小麦と米粉を練り索縄のように細長く捻った菓子
- 粉熟(ふずく)
- 五穀を五色にして粉にして餅を作り、竹の筒に入れてかためたもの。食べるときは竹から突きだして切る
- こん飩(こんとん)《「こん」は食偏に「昆」》
- 小麦粉を練って円形に作り、細かく刻んだ肉を餡の代わりに入れて煮たもの
- はく飩(はくたく)《「はく」は食偏に「専」の点付き》
- 椿餅(つばいもち)
- 餅の粉を丸め、甘葛をかけ、椿の葉に包んだもの
- 饅頭
- 煎餅
- 初熟麦(あおざし)
- 飴
- 水飴の類
甘味料
唐より渡来したもので、平安初期には薬用として用いられていた。
- 蜜
- 甘葛(あまずら)
氷
酒
- 甜酒(たむさけ)
- 甘口だったらしい
- 八塩折酒
- 醸酒
- 醇酒(かたさけ)
- 辛口
調味料
- 酢
- 塩
- 醤(ひしお)
- 味噌
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