Create  平安陰陽絵巻Wiki  Index  Search  Changes  RSS  Login

住居

住居

貴族の屋敷

寝殿造

寝殿を中心にして、対屋、泉殿、釣殿、雑舎、車宿、総門、中門、築山、池、遣水などからなる邸宅。

南面して造られ、中央に寝殿があり、その北、東、西にそれぞれ北の対、東の対、西の対がある。これらは廊で繋がっている。

寝殿の南には中庭、または小庭があり、築山を築き、池を掘り、池の真ん中に島を造って橋を架ける。また、遣水も設けられ池に注いでいる。

東の対から南に廊を造り南端には池に臨む泉殿がある。西の対からも同様に南へ廊をのばし、その端に釣殿がある。この二つの廊の中間には切り通しの部分があり、中門が造られ、その側に車宿がある。東西の廊はそれぞれ東の渡殿、西の細殿と呼ばれ、家司等の詰め所がある。

邸の北部には雑舎があり、邸の周囲には築土をめぐらせている。

寝殿
主人の居間・客間で南面して造られる。中央に母屋、その外に庇、更にその外側に簀子がある。庇と簀子の間に格子をはめてあり、四隅に妻戸がある。簀子は庇よりも一段低い。殿内は総板敷きで柱は丸柱。
対屋(たいのや)
北の対、東の対、西の対の総称。造りは寝殿に似ているが簡略化されている。東西の対には子女が住み、北の対には夫人が住む。それぞれの渡殿には家司や女房が住む。対の屋の数は定まっていない。
泉殿
方形で四方に壁はなく、庇もなくて母屋と簀子があるだけ。匂欄が簀子の四周にある。納涼・観月が行われる場所。
釣殿
釣りをしたり、納涼をしたりするところ。泉殿と違って匂欄はない。
それぞれの建物を繋ぐ廊下。細殿・渡り殿とも言う。両側を壁で隔てたものを「壁渡殿」、壁で隔てず、両側を匂欄をつけたものを「透殿」、「匂欄」もなく、板を渡したものを「馬道」、反っているものを「反渡殿」という。また、渡殿の片側に部屋を設けて女房などの局にしていることも多い。
中門
東西中門の廊にある。扉はなく屋根のみがある。俗に言う切り通し。
雑舎
いまのお勝手にあたり、雇人がおり、厨や湯殿がある。
車宿(くるまやどり)
中門の外にあり、主人や来客の車を入れるところ。
親王や大臣家では四足門と呼ばれるものを使い、一般的な家では棟門、平門、土門を構える。
築土(ついじ)
邸の周囲にめぐらす土塀。土を築いてつくり、瓦で屋根を葺いたもの。土で築いた物であるため、風雨や地震で壊れやすく荒れやすい。

調度品

屏障具

室内の区切りは基本的に調度によってなされていた。

簾(みす)
母屋並び、庇の周囲に垂れる。普通は竹を編み、萌葱色の絹に黒い紋を染めて四方の縁にする。簾の上部の外側に絹を張る。簾を巻き上げて掛けておく金具を鈎(こ)と呼び、その下に飾りとして下げるふさを鈎丸と呼ぶ。
壁代(かべしろ)
表に朽木形、または花鳥の模様を描き、裏は白く磨いて光沢を出した絹。高さ9尺8寸、7幅。
几帳
手(横の丸木)、足(二本の丸柱)、土居(四角な木の台)から成り、これに帳を垂らしたもの。横棒が長いT字に木を組み、それに帳を掛けた感じ。婦人が外出するときに使われる物は差几帳と呼ばれ、従者に持たせその陰に隠れて歩いていた。
軟障(ぜじょう)
縦3尺7寸、横6幅の生絹で、上下左右に6寸8分の幅の紫綬の縁をつけた物で、今の幕のようなもの。
帳台
母屋に据える貴人の座臥の所。皇后などの場合には「浜床」と呼ぶ。高さ1尺幅9尺四方の黒塗りの台の上に設けるが、普通は板敷の上に据える。畳二帖を南北に敷き、四隅に柱を3脚ずつ立てて、その上に塗りの明障子を載せる。四隅と四方には帳を垂れる。

坐臥具

板敷きの寝殿造の座るところへ敷く。今の薄縁の類で重ねて敷くために畳と言っていたらしい。縁に用いた布の種類によって様々な名がある。
ござのようなもの
茵(しとね)
畳を芯にして布で縁を取った正方形の座布団。
倚子
木製で肘掛けと凭れとがある。上には畳及び茵を敷く。
床子(しょうし)
四脚の腰掛けで机のような形をしている。上には畳及び茵を敷く。
兀子(ごつし)
腰掛け。三脚で円形の物や、四脚で四角の物があり、殿上や庭上で使われる。上には敷物を敷く。
草塾(そうとん)
藁を芯とし、錦で包んだ円筒形の腰掛け。
胡床(あぐら)
足を打ち違えに交差させ、上に皮を張って折りたたむようにした腰掛け。
円座
菅や藺を円形に編んで、白色の織物で包み、縁を付けたもの。
脇息
肘掛け。紫檀で作る。

家什具

以下の他に唐櫃、櫛筥、造紙筥、鏡筥などの箱の類や、衣架、火櫃、炭櫃などがある。

厨子
貴人の座側に置いて、色々な器物や草子などを載せる具。上下二段になっており、下段には両開きの扉がある。高さ2尺、長さ2尺8寸5分、幅1尺3寸7分。
二階棚
厨子とは異なり、下段に扉がない。上段に火取(香を焼く道具)、ゆする坏(ゆするつき。ゆするはさんずいに「甘」)(米のとぎ汁を入れる器。米のとぎ汁は頭髪を洗うのに用いられた)を、下段には唾壷(だじ)、打乱筥(うちみだりばこ)(結髪のときに手巾などをいれたりする)などを置く。

点燈具

燈台
中央がやや細くなった竿の先に盤があり、上に金輪があり、その上に油坏を載せて油を入れ、灯心を入れる。下には打敷を敷き畳が汚れるのを防ぐ。高さは3尺2寸ほど。

飲食具

台盤
四脚の食卓。
懸盤(かけばん)
四脚の膳で一人膳の正式なもの。
高坏
一人膳の略式のもの。足は一本のみ。角形と円形がある。
折敷(おしき)
白木の盆のようなもので食物を盛る。四角の物と、四角の四隅を切った物がある。
衝重(ついがさね)
食物を盛る器で、折敷の下に四角な台を重ねたもの。

資料リンク

リンク

Last modified:2006/10/08 19:38:28
Keyword(s):
References:[資料] [廊下]
This page is frozen.