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市原千栄子

市原千栄子(いちはら・ちえこ)

 市原の魔女達の血を引く女、市原千沙紀の実母。市原眞由美の遠縁。一見ごく普通のおばさん。黄昏の魔女達に所属する。しかし市原の女の常として、生まれた子供が10歳を過ぎた今は魔力を失っている。穴埋めとして薬草学に非常に長けている。
 市原の魔女達中でも直系の特に濃い血を受け継いでいる。しかし生まれながら魔力は他の一族よりも低く、母や祖母ら他の一部心無い魔女達に『出来損ない』呼ばわりされながら成長し、その心の底に深い病みを抱えていた。
 二十歳の際、偶然であった黒服の魔術師に乞うて、強い魔力を引く子を身篭り千沙紀と名づけて、叶えられなかった自分の理想の姿を投影した。
 しかし、千沙紀は女の子でありながら自分の性を受け入れられない子供だった。千栄子は自分の夢と理想を押し付け、千沙紀が男の子のように振舞うのを許さず、無理やり女として魔女として矯正しようと手を尽くす。薬を盛ってでも女らしくさせようとする千栄子と受け入れない千沙紀とで衝突し、あわや刃傷沙汰になる騒ぎを起こしたこともある。千沙紀クーネルダールの奇書を奪って逃走する原因でもある。
 解決後、精神衰弱状態で入院生活を送っていたが。2007年6月病院を脱走、市原の魔道書を奪い、再び千沙紀を取り戻そうとするが、氷我利眞由美らに阻止され、自らはなった魔法薬により、精神が一歳児にまで退行し再び入院を余儀なくされた。
 現在、退行によりようやく心が解き放たれ、少しづつ千沙紀との母子としての絆を取り戻しつつある。
 別名『未来の書』と呼ばれるクーネルダールの禁書を内に所持していたが、娘の千沙紀へと受け渡されている。
 久志水滸伝 第96位:地奴星

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